テレビとのつきあい
私どもの生活でテレビがどの程度に、どのように利用されてどんな影響を受けているかを振り返ってみようと思います。
テレビは志願者用として図書室に1台、姉妹用に1台が食堂兼休憩の場所に置かれています。日中はそれぞれ使徒職の場や修道院内で、引き受けている務めがありテレビの前に座ることはありません。夕食後、共同体の話し合いがなければ時間の許す姉妹は、休息がてらテレビのある場所で新聞を読んだりTV番組を楽しんだりします。
視聴率の高い番組はニュース、クローズ・アップ現代、大河ドラマ、ためしてガッテン、こころの時代などです。他に大自然と世界遺産関係のドキュメンタリーやフィギュア・スケートを録画しておいて、日曜日の午後に鑑賞することもあります。
ニュースは世界と社会の動きをつぶさに教えてくれますし、祈りの源泉になります。
単純に楽しみ、リラックスと癒しになることもあれば、新しい視野をもらって感動し、勇気と元気をもらいチャレンジを感じて生活を省みる材料になります。
“ためしてガッテン”のファンはそこから新しい健康法や目からうろこの料理のコツを学び、実践に役立てるようです。Sr. Hは“みなさん、今日のガッテンは脳梗塞予防法です。”などと周囲を促すほど熱心な視聴者です。彼女を観察していると、テレビの正面に陣取り番組開始にはしっかり目を見開いてはいるものの、徐々にまぶたが閉じていきます。隣の姉妹がみかねて“もう休んだら?”と声かけをすると一瞬目を開き、見ているというしぐさを見せます。番組が終わると、“ところで結論は何だった?”と質問して“納得、ガッテン”で寝る前の祈りのために引き上げるという具合です。
大河ドラマファンのSr. Mは目が痛いからと目を閉じたままじっと耳で聴いています。あるとき聖書の分かち合いの中で“篤姫に家臣が助言をしていて、わからないことがあったら考えをやめるように・・・と話していたけれども、自分の生き方では、そんな時に私も自分で考えようとすることを止め、心に語ってくださろうとする聖霊に聴くということなんだと教えられた。”と聞いたときは、ドラマからも、修道神学を汲み取っている姉妹の精神に感心したことがありました。
テレビも見方次第で、生活を豊かにしてくれる身近な有難い製品ですね。
2008 年 3 月