能登半島地震
ご復活のミサ
- ご復活に関するミサは以下の通りです。
- 2025 年 3 月 5 日(水)灰の水曜日
- 10:00〜
- 18:30〜
- 2025 年 3 月 7 日(金)十字架の道行き
- 9:30〜
- 2025 年 3 月 9 日(日)四旬節 黙想会・合同告解
- 8:30 ミサ後より黙想講話:フォンツ・マルセリーノ神父様(クラレチアン宣教会)
- 講話の後、合同告解
- 12:00 頃よりミサとなります(10:00 ミサはありません)
- 2025 年 4 月 20 日(日)復活祭
神父様からのメッセージ
AI(人工知能)と良心
80 年前の 1945 年 1 月 27 日、アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所は解放された。ホロコーストの犠牲になった 600 万人以上のうち約 110 万人がこの絶滅収容所で亡くなったとのことである。
スペイン留学中、夏休みに二人の若いポーランド人の神父さん(カルメル会)に連れられ、収容所を訪れた。アウシュビッツにはもう一つ閑静な住宅街に似せた小さな強制収容所があり、有名なマクシミリアノ・コルベ神父はその地下室(飢餓室)で亡くなられた。
そこから車で 15 分ほど離れたところに、「シンドラーのリスト」でおなじみの汽車も入れるビルケナウ強制収容所があった。車から降りると、二人のポーランド人の神父さんたちが、「私たちは中には入れない」と言ったので、仕方なく一人で中に入った。英語のグループに加わったが、ガイドは、ほとんど泣きながら私たちを案内してくれた。
最初の印象は、息をのむような広大さであった。フェンスの外には緑の森林が広がり、頭上には青空が広がっていた。(岩ばかりの乾燥したスペインから来た私には、ポーランドの自然はとても美しく感じられた。)連合軍が迫る中、ナチスは証拠隠滅をはかり、ガス室や焼却炉はほとんど破壊され、何もなかったが、あわてて作業したためか、破壊しつくせなかった焼却炉の一部が若干残っていた。
収容所内に林立する無数のバラックと外の美しい自然を眺めながら、「人間はどこまで残酷になれるのだろうか」、このような残虐非道な決定を下した人間に良心はあるのかと自問せざえるを得なかった。
現在、AI が飛躍的な進歩を遂げている。各国が国の命運をかけ、企業は技術開発に血眼になっている。何年か前、テレビで AI に教えを乞う番組があった。知能としては、たしかに人間の能力をはるかに超えている。だが、私たちは忘れてはならないだろう。AI は機械にすぎず、良心はないことを。それを使用し、意思決定するのは、人間である。良心の声に耳を閉じ、他国を侵略し、戦争開始の決断を下すのは人間である。ユダヤ人をゴミのように見なし、絶滅を決定したのはヒットラーである。罪を犯すのは人間であり、回心しなくてはならない。が、AI は罪を犯さず、回心する必要はない。
パウロ 九里 彰 神父
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