修道院の窓から

聖堂とともに

2015 年に、聖霊病院は新築された建物に移転し、古い 5 階建ての病院が解体された跡地は、広々とした駐車場になりました。そのそばには、こども園の可愛い遊具を備えたマリアグランド、そして遠くからもよく見える場所にルルドのマリア像があります。そして青い屋根の鐘楼と赤い屋根の建物が現れます。

1932 年に建立されたこの聖堂は、金沢市の文化財に指定されています。最近は金沢市が様々な観光案内パンフレットを発行し、「長町界隈」編や「古い建物めぐり」編が出来たこともあり、以前にもまして見学に訪れる人が多くなりました。グループでの見学、また、個人で、家族で、友人で、観光に来て立ち寄るなど、さまざまですが、静かにお祈りしている方も少なくありません。

三位一体に捧げられた聖堂ですから、壁画にもよくその意味を表してあり、ステンドグラスのやわらかい光が差し込みます。

また、金沢の文化を取り入れて、祭壇の壁には金箔を、中央の十字架には、地元金沢の獅子頭職人だった、古瀬信一氏の作品、群青色に縁どられたアーチ型の天井、柱は黒漆が用いられています。

聖堂の外側には、桜が何本かあり、春になると見事に咲き誇ります。同じ中庭には、イエスのみこころのご像が立っていて、その台座には、「万民を我に引き寄せん」と彫られています。

時代の移り変わりの中で、この聖堂はここを訪れる人びとのこころの癒しの場として在り続けました。そして、今もこれからもずっと人々に開かれていくことでしょう。

私たちはここで毎日ミサにあずかり、朝に夕に聖堂で祈りますが、本当にありがたいことだと思います。聖堂入り口に、小さなポストが設置されていますが、願い事や祈って欲しいことがあればメモを投函していただき、晩の祈りの共同祈願に皆で祈っています。これからも多くの人々に親しまれ、大切にされる存在でありますように希望しています。

2017 年 6 月