修道院の窓から

シスターが歩けば?にあたる?

みなさんが、修道院の生活は厳しく、大変なのではないかと思われがちですが、当人たちは結構自由な心で、それぞれの賜物を最高に用いながら使徒職に共同生活に仕え合っているようです。とはいえ、一般社会の生活形態とは違うので常に街をめぐり歩くということはありませんから用事があって、たまに外出をすれば思わぬ事柄に遭遇して結構笑い話のタネができるのです。

1.
ある日、教会の帰りにせせらぎ通りを歩いていたら、カラスが1羽、また1羽なんとお菓子の袋をくわえて飛び交っていました。そこでよーく見回すと、ドラッグストアの店先に売り出しているスナック菓子を上手に飛行しながら失敬しています。カラスが人通りを飛び回るのは不気味で危険でもあるし原因を取り除かなければ・・・とそのお店に逆行して「もしもし、お宅の商品がカラスどもに狙われています!」と通告。その後店頭に菓子類は並ばずに、カラスもみられなくなりました。

2.
やはりせせらぎ通で、父子が道端で休んでいました。ところが、父親は4、5歳の子供のそばで平気でたばこを吸っています。「た〜いへん!この無知な父親に副流煙の恐ろしさを教えなければ!」と一瞬意気込んでみたものの自分のおせっかい心を抑えて、やや軽蔑と気の毒という目で通りすぎました。それでも、カナダのタバコパッケージには“僕たちを殺さないで!”とか“未熟児を産む可能性が高く、将来も正常な発達ができない”とかたばこには50種類以上のがん物質が入っているなどと書かれていることを思いだし、子供たちを守るために、大人と社会はもっと厳しい態度をとらなければ・・・と残念な思いでした。

3.
自転車で買い物にでたところ、以前あった駐輪場がない!ちょっとの間だから・・と歩道のあたりにとめようとすると、“混雑するので駐輪禁止”という標識があり困って、ウロウロしていました。通りがかりのおばさんに、質問すると「うちにとめまっし」とおっしゃるので「えっ?お近くですか」と聞くと近くを指差して教えてくれました。世の中には親切な人が一杯と嬉しくなしました。

4.
秋田から休暇に来るシスターを駅に出迎えにいきました。到着時間を間違えたらしく、確認のために修道院に連絡をしようとしたら、あいにくケータイ電話を持つことをしなかったために、公衆電話をやっとの思いで探し当てました。今度は小銭がないので、その工面を考え自動販売機で飲み物を買うことにしました。お札が入っていって飲み物もでてきたのですが、肝心のおつりを取り出すところがわからない! 困ったな・・とパニック状態になり、通りがかりの人を「すみませ〜ん」と呼びとめて教えてもらいました。変なヒトだな、と思ったことでしょう。

2010 年 9 月