聖堂物語

告解室

 聖堂に入ると、扉が二つ付いた小部屋が左右にあります。扉の一つは信者が、もう一つは司祭が入るためのものです。中の部屋は壁で仕切られていますが、司祭が信者の話を聞けるように格子が付いた小さな窓があります。

 ここは「告解部屋」、「告解室」と呼ばれ、信者が自らの罪を司祭に告白して神様のゆるしを得る場となっています。この罪の告白を「告解」と呼び、この告解を行うことを「赦し(ゆるし)の秘跡」と呼びます。ミサの中で行われる「赦し(ゆるし)の秘跡」とは別に、個別に罪の告白を行うために設けられたものです。

 キリスト教において、罪のゆるしを与えられるのは神様だけです。信者は司祭に罪を告白しているようではありますが、司祭を通して神様に罪を告白しているのです。告解を聞く司祭は神様に取り次ぐことで罪をゆるします。告解の内容は神様と信者の間の秘密のため、司祭が第三者に明かすことはありません。

 告解室の形状は様々で、電話ボックスのように独立したブースであったり、当教会のように小部屋状であったりと、機密性が保たれた作りが一般的です。最近はより開放的なデザインの告解室を設けているところもあるようですが、受けられる秘跡に違いはありません。いつでも信者は仕切り越しに罪を打ち明け、司祭は信者を諭して救いの道に導くのです。


告解室

告解室の中

窓越しに司祭とお話しします