聖週間とは、復活祭前の1週間を言います。今年の復活祭は3月23日なので、3月16日からの1週間が“聖週間”ということになります。では、どんな日々なのか見て行きましょう。
枝の主日・受難の主日 (3 月 16 日)
聖週間の始まりの日、3月16日(日)は「枝の主日」又は「受難の主日」と呼ばれます。これは、イエス・キリストが子ロバに乗ってエルサレムに入城した時、エルサレムの人々は熱狂的に歓迎し、道に木の枝や衣服を敷いて出迎えた、という出来事を記念するためです。この日のミサ聖祭では、ミサの前に信徒たちはしゅろの葉を手に持って、行列して歌いながら聖堂に入ります。
そして翌日から水曜日までは、「受難の月曜日」「受難の火曜日」「受難の水曜日」と呼ばれます。なぜ“受難”なのでしょうか?イエス様を大歓迎したはずのエルサレムの人々は、次第にイエス様から離れて行き、やがて「(イエス様を)十字架につけろ」と叫ぶ日が来るからです。
聖木曜日 (3 月 20 日)
イエス様は弟子たちと共に最後の食事をなさり、聖体の秘跡を定め、人に使える者としての司祭職を制定されました。この“最後の晩餐”が現在のミサ聖祭の原型です。この日のミサは「主の晩餐の夕べのミサ」と呼ばれ、“最後の晩餐”の出来事を思い起こし、記念するものです。
最後の晩餐の後、イエス様はゲッセマネの園で一人で祈っておられましたが、ユダの裏切りによって大祭司の下男や兵士たちに捕まり、さまざまな侮辱や苦しみを受けられました。
聖金曜日 (3 月 21 日)
ローマの総督ピラトはイエスを許そうと思っていましたが、大祭司に煽動された民衆が「その男を十字架につけろ」と大声で叫び続けたので、ついにピラトはイエス様を死刑にすることに決めたのでした。ゴルゴダの丘で十字架につけられたイエス様は、午後3時頃に亡くなられたといいます。
カトリック教会では、イエス様の受難と死を思い起こし記念するため、また復活への希望を新たにするため、ことばの祭儀(聖書より、キリスト受難の場面を朗読する)・十字架の礼拝などを行います。
聖土曜日 (3 月 22 日)
この日はイエス様が墓に葬られた後の安息日(休息日)で、イエス・キリストの受難と死をしのぶ日です。
夜になると“復活徹夜祭”が行われます。これには“眼を覚まして主人(キリスト)の帰りを待つしもべ”(ルカ12・35-40)のように、キリストの復活を“眼を覚まして祈りながら待つ”という意味があります。死から復活へ、闇から光へ。キリストの復活と新しい生命を象徴するものとして、光・火・水・復活のろうそく、などが用いられます。また、新しい自分に生まれ変わるために最も相応しい時と考えられ、洗礼式も行われます。