神父様からのメッセージ

「私は、民全体に与えられる大きな喜びを告げる」

 「私は、民全体に与える大きな喜びを告げ知らせる。今日、あなた方のために救い主がお生まれになりました。」(ルカ2.10-11)イエズス様の降誕を羊飼いたちに知らせた天使の言葉です。

 確かにこのお知らせは私たちにとって大きな喜びをもたらすものです。私たちの罪を自ら背負って、その償いのいけにえとして十字架の上でご自身を奉げるために神の子が人としてお生まれになったことを信じている私たちは、今年も深い喜びと感謝をもってクリスマスをお迎えしようとしています。

 神様には人を救う方法は他にもあったはずです。マルコ福音書に記されているゲッセマネでのイエズスの祈りがその可能性を垣間見せるお祈りです。

 「アッバ、父よ。あなたは何でもおできになります。この杯を取り除けてください。しかし、私が願うことではなく御心にかなうことが行われますように。」(マルコ14.31)

 人間を救うためにほかの方法もあったなら、なぜ三位一体の神は御ひとり子が人となって十字架に上ることを選ばれたのでしょうか。その方法こそ、人間に対するご自分の愛と憐みの深さを一番表す方法だからです。人間の私たちをご自分の方へ引き寄せる最高の手段を取られたのです。

 使徒パウロの言葉を聴きましょう。「神はキリストを通して、私たちをご自分と和解させ、人々の罪の責任を問うことなく、和解の言葉を私たちに委ねられました。ですから…私たちはキリストに代わってお願いします。神と和解させて頂きなさい。罪と何の関わりもない方を神は私たちのために罪となさいました。私たちはその方によって、神の義を得ることができたのです。」(Uコリント第5.18-21)つまり、自分の罪を素直に認めることによって神様からの和解を受け入れることになる、ということです。