イエス様が遺してくださった遺言
イエス様が「引き渡される夜」、すなわち最後の晩餐のときに話されたお言葉を、その遺言として受け止めて、それを忠実に実行したいと思います。
「私の愛にとどまりなさい」と(ヨハネ15,19)。このご命令は、その遺言の中心となっています。この命令に従うには、何をすればよいか、これも教えて下さいます。
「私の掟を守るなら、私の愛にとどまっていることになる」と(ヨハネ15,10)。
なお、その「掟」とは何であるかも教えて下さいます。「互いに愛し合いなさい。これが私の命令である」と(ヨハネ15,17)。つまり、互いに愛し合うことによってイエスの愛にとどまるということです。
さらに、どの程度互いに愛し合わなければならないか、イエス様はこれも明言して下さいます。「私があなた方を愛したように、互いに愛し合いなさい」と(ヨハネ15,12)。「友のために命を捨てること、これ以上大きな愛はない」と(ヨハネ15,13)。私たちを「友」(ヨハネ15,15)と呼んで下さるイエス様は、まさに私たち一人ひとりのために命を奉げてくださいました。それも、私たちのそれぞれの罪を自ら背負って、その償いとして十字架の上でご自身を奉げて下さいました。それほど私たちを愛して下さいます。
なぜ、互いに愛し合うことはそれほど重要視されているでしょうか。それは、神は愛だからです。互いに愛し合うことは、愛であられる神様に近づく唯一の道だからです。
しかも、私たちの相互の愛は神様の愛と同質のものでなければならないのです。というのは、神様の愛は「人を分け隔てしない」愛です。「恩を知らない者にも、悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせて下さる」と(マタイ5,45)。
結論を言いますと、「イエスの愛にとどまる」とは、人間の「好き嫌いの感情を越えて、分け隔てなく、すべての人を愛することです。聖霊の力を祈りながら、全力をあげて、その目標に向かって進みたいと思います。