ロザリオの祈り
10月はロザリオの月として知られています。私たちは10月の間「聖母の月」5月と同じく、毎日ロザリオの祈りを唱えるように努力しております。一年中毎日ロザリオの祈りを唱えている信者もいます。皆揃ってロザリオを唱える家族もあります。
カトリック教会は「母マリアと共にキリストの御顔を観想する優れた祈り」として、ロザリオを激励しています。なぜマリアと共にキリストの御顔を観想したいでしょうか。前教皇様ヨハネ・パウロ2世はその理由をあらためて紹介して下さいました。(使徒的書簡「おとめマリアのロザリオ」を参照)
「キリストを観想する比類のない模範はマリアのうちに見出されます・・・マリアほどキリストの御顔の観想に一心に身を捧げた方はいません・・・聖霊の力によってキリストを身篭ったお告げの時から、マリアの心の目は常にキリストに向けられていました」(n.15)
「マリアはキリストから目をそらすことなく生き、キリストの言葉を全て胸に収めました」(n.11)
そういう姿勢でマリアは接しておられたので、我が子イエスを深く理解することができました。人間の内ではマリア以上にキリストの秘儀を理解しておられる方はいません。従って、キリストの秘儀を深く知るように私たちを導く方で、その母マリア以上の方はいません。マリア様に「キリスト」を学び、キリストの秘儀の理解に導かれたいからロザリオを唱えます。
さて、なぜこの祈りは「ロザリオ」と呼ばれるようになったでしょう。11世紀頃から、短く覚えやすい祈りとして「アヴェ・マリア」の祈りも普及するようになりました。13世紀辺りから、一日に50回一組の「アヴェ・マリア」を唱えるようになり、またマリアの崇敬が高まったこの時代に、マリア像をバラの冠で飾る習慣がありました。こういうことを熱心にやっていた修道者が、幻の中で出会ったマリア様から「アヴェ・マリア」の祈りによる霊的なバラの冠で迎えられることがより大きな喜びであると告げられたという伝説から、50回一組の「アヴェ・マリア」の祈りは「ロザリオ」(“バラの冠”という意味)と呼ばれるようになりました。
なお、現在ロオザリオの基本的な形式は「喜びの秘儀」「苦しみの秘儀」「栄の秘儀」「光の秘儀」の4種類の「秘儀」があって、各種類には五つの「秘儀」があります。曜日によって、その中の一つの種類を選んで、それぞれの「秘儀」を読んだ後、マリア様にその理解に導かれたい気持ちで「アヴェ・マリア」を10回唱えます。
ついでに、10月が「ロザリオの月」となったのは、1571年10月7日「レパントの海戦」で、オスマン帝国に対する勝利が当時の教皇様の呼びかけに応えて、世界の教会が唱えていたロザリオのおかげとされたので、レオ13世教皇様は10月を「ロザリオの月」と定めたのです。