復活のお喜びを申し上げます
キリスト教の信仰の出発点はイエス・キリストの復活にあります。“もしキリストが復活しなかったのなら、あなた方の信仰はむなしく、あなた方は今もなお罪の中にあることになる”（１コリント15,17）
イエスの十字架上の死は弟子達に大きな衝撃を与えました。その時、彼らはイエスに失望してしまったのです。
“ナザレのイエスは神と民全体の前で、行いにも言葉にも力のある預言者でした。それなのに、私たちの司祭長たちや議員たちは、死刑にするために引き渡して、十字架につけてしまったのです。私たちは、あの方こそイスラエルを解放して下さると望みをかけていました。しかも、そのことがあってから、もう今日は三日目になります”（ルカ福音書24,19-21）
弟子達はイエスに大きな期待をかけていました。この方こそイスラエルを解放してくださることを期待していましたが、イエスの死と共に彼らの夢も覚めたので、散らばり始めたのです。
ところが“週のはじめの日”、日曜日、死んでからの三日目にイエスは弟子達に現れ始めます。40日に渡って、何度もまたさまざまの状況や時間、個別に、また一同に現れたりします。これらの出現の物語に共通の事柄があります。まず、生前のイエスと異なった存在様式で弟子達に現れています。旅人や園丁の姿で、あるいは彼らが集まっている真ん中で突然現れます。これは、復活が単なる死者の蘇生などを意味しているのではなく、死んだイエスが新たな形で生きておられることを示しています。
最初の出現の時弟子達はイエスと認めることができず、亡霊を見ているのだと思ったり、別の人と思ったりしていたので、イエスがご自分であることを証拠立てる必要がありました。十字架の傷跡を見せたり、名前で呼んだり、彼らの前でものを食べたりしました。ついに弟子達は、他ならぬ、死んだはずのイエスに今ここで出会っているとの確信を持つようになりました。その後、彼らは一人残らずイエスの復活の証人となり、殉教をもって復活信仰の最大の証を立てました。
“実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました”（1コリント15,20）
“死よ、お前の勝利はどこにあるのか･･･私たちの主イエス・キリストによって私たちに勝利を賜る神に、感謝しよう”（１コリント15,55･･･）
キリスト者がイエス・キリストの復活を喜び祝う理由は、復活が死に対する決定的な勝利であって、私たちもその勝利にあずからせて頂いていることをかたく信じているからです。
この大きな恵みを感謝しながら、心からイエスの復活を喜び祝いたいと思います。