2011 年復活祭特設ページ

光の祭儀 〜復活徹夜祭〜

 キリスト教において最も大きな祭りとされる復活祭には、クリスマスと同様に準備期間(四旬節)があります。
 特に復活祭の前夜にあたる聖土曜日の夜には、キリストの復活を待ち望む「復活徹夜祭」が行われます。元々はその文字通り夜を徹して行われていましたが、現在では「日没から夜明けまでの間に行うこと」とされています。その典礼は通常のミサの形式とは異なり「光の祭儀」「ことばの典礼」「洗礼の典礼」「感謝の典礼」の4つから成り立っています。
 中でも最も印象的なのは大きなろうそくに火を点す「光の祭儀」でしょう。「光」は聖書においても神の存在やその力の象徴として描かれます。「光の祭儀」においては、「光」を生み出す「火」がその役割を果たします。

 「光の祭儀」は、東方教会の「ルチェルナリウム」と呼ばれる祈りの際に、ランプに灯を点す式に由来するとされています。この方式が4〜5世紀ごろに西方教会に伝わり、やがて現在のようなろうそくに火を点すという形になりました。

 まず、聖堂の外で「火」は司祭の祝福を受けます。次に「復活のろうそく(復活されたキリストを象徴する大型のろうそく)」に「十字架」とギリシア文字の「A(アルファ)」「Ω(オメガ)」そして「年号(西暦)」が刻まれ、祈りの言葉とともに5つの印がつけられます。この印はキリストが受けた5箇所の聖なる傷を表します。そしていよいよ祝福された「火」がこの「復活のろうそく」に移されることになります。
 「火」を点された「復活のろうそく」は、行列とともに聖堂へ入ります。この時、聖堂内は消灯し、暗闇に包まれています。行列が進むにつれ、その「火」は侍者や会衆の持つ小さなろうそくへと分けられて、行列が祭壇につくころには聖堂全体がろうそくの暖かい光で満たされることとなります。
 祭壇に到着した「復活のろうそく」は祭壇にたてられ、聖歌隊や会衆は「復活の賛歌」を歌ってキリストの復活を記念します。歌の後、聖堂内の照明を点灯して次の典礼へと続いていきます。

 「光の祭儀」は闇夜を照らす光であるキリストが、新たな命をうけ、死の淵から蘇ったことを表します。また同時に、その光によって私達自身もまた罪を赦されて光のうちにあることを意味しているのです。

 数ある典礼の中で、おそらくは最も荘厳といえる「光の祭儀」。たとえ話にある「賢い乙女達」(マタイ25章1−13)のように目を覚まし「火」を点して、花婿である「復活されたキリスト」を迎えては如何でしょうか。

 

ミサのご案内

 聖週間および復活祭のためのミサは以下の通りにおこなわれます.