2010 年復活祭特設ページ

十字架の道行き

 教会内の壁には、通常、キリストの受難のさまざまな場面が描かれた 14 枚の絵やレリーフがかけられています。修道院など広い敷地があるところでは、屋外の14〜15箇所に彫像群が設置されていることもあります。それらは「留(英語でstations)」と呼ばれ、各留の前でキリストの受難の道を黙想し、ひとつひとつの場面でのキリストの苦しみをキリストとともに心の中で追体験し、祈りながら移動して行くのが「十字架の道行き」です。年間いつでもできる信心業ですが、特に四旬節中の金曜日に全世界でさかんに行われます。

 当教会では、四旬節中の毎金曜日(2 月は 19、26 日、3 月は 5、12、19、26 日)、10 時と18 時の 2 回行われています。どなたでも参加できますので、ぜひお立ち寄りください。

(写真は、2月19日(金)18時の「十字架の道行き」の様子)

 

各留の受難の場面

 「十字架の道行き」では、キリストの受難と死を、留を回りながら心をこめて黙想することそのものが大切なので、各留の場面の設定は、共同体によって、また場合によって、バリエーションがゆるされています。留の数も、伝統的には14留でしたが、1958年ルルドの十字架の道行きが整備された際に15留が設けられて以来、15留を加えた道行きも行なわれるようになり、故ヨハネ・パウロ二世教皇もこれを強く推奨しました。教会内で15留の道行きを行なう場合、通常は、15留目で正面の祭壇に向かって主の復活を黙想します。

 信心業を兼ね、いろんな教会を訪問してそこの「留」を鑑賞するのも楽しいものです。たいへん貴重な芸術作品に思いがけず遭遇することもあります。

伝統的な 14 留 最近の15留
第1留イエス死刑の宣告を受けるイエス、オリーブ山で祈る
第2留イエス十字架をになうイエス、ユダの裏切りで逮捕される
第3留イエスはじめて倒れるイエス最高法院で裁判を受ける
第4留イエス母に会うペトロ、イエスを否認する
第5留キレネ人シモン、イエスの十字架をになうイエス、ピラトに死刑の宣告を受ける
第6留ヴェロニカ、イエスの顔を拭うイエスむち打ちといばらの冠を受ける
第7留イエス 2 度目に倒れるイエス十字架を担う
第8留イエス、エルサレムの婦人たちを慰めるキレネ人シモン、イエスの十字架をになう
第9留イエス 3 度目に倒れるイエス、エルサレムの婦人たちを慰める
第10留イエス衣服をはぎ取られるイエス十字架に釘づけられる
第11留イエス十字架に釘づけられるイエス回心した盗人に天国を約束する
第12留イエス十字架上に死すイエス母マリアと弟子ヨハネに声をかける
第13留イエス十字架から下ろされるイエス十字架上に死す
第14留イエス葬られるイエス葬られる
  イエス復活する (ただし、四旬節中は通常14留まで)

 

 下の写真は、カトリック金沢教会の十字架の道行きの「留」の一部です。(画像クリックで拡大)

 

元祖「十字架の道行き」

 聖地エルサレムでは、巡礼者は、ピラトの家があった場所から聖墳墓教会まで、本ものの受難の道「ヴィア・ドロローサ」を歩きます。十字架の道行きの原点です。

(写真は当教会信徒が巡礼中に撮影したもの)

 

ミサのご案内

 聖週間および復活祭のためのミサは以下の通りにおこなわれます.