神父様からのメッセージ

待降節(アドヴェント)について

 ローマ・カトリック教会の典礼歴(カレンダー)では、待降節は 12 月 25 日のイエス・キリストのご降誕の祭日、いわゆるクリスマスを準備する期間(季節)として定められています。クリスマス前の 4 週間がこれにあてられていますが、さらにこの期間は、二千年前のご降誕(最初の到来)を追憶するだけでなく、世の終わり(終末)にキリストが再臨すること(第二の到来)への待望の期間ともなっています。

 また、典礼歴では、待降節第 1 主日が一年の始まり、元旦にあたります。11 月 30 日か、それに近い主日が第 1 主日になります。

 さて、待降節の祭服の色は紫色です。紫色は復活祭(イースター)前の四旬節でも着用されます。そのため、四旬節の回心の要素が入り込み、装飾を控えたり、聖歌を少なくしたりしていましたが、現在は降誕や再臨を待ち望む「愛と喜びに包まれた待望の時」として考えられています。もちろん、ご降誕を清い心で迎えるために、日頃の信仰生活を顧み、神に立ち返ることが求められています。ちなみに降誕節と復活節は白色、年間は緑色です。

 待降節という言葉は、ラテン語のアドヴェントゥス "Adventus"(到来)から来ています。そこから各国語が派生しています。アドヴェント "Advent"(英、独)、アヴァン "Aveent"(仏)、アヴェント "Avvento"(伊)、アドヴィエント "Adviento"(西)となります。

 

典礼歴

 カトリック教会では、救い主イエス・キリストの生と死、復活、昇天に合わせて、一年間の典礼(宗教儀式)の暦(カレンダー)が組まれています。全世界の教会や修道院は、毎日それに従ってミサや祈りをおこなっています。この典礼歴では、待降節の他、降誕節、四旬節、復活節と、4 つの季節(特別な期間)が定められています。それ以外の普通の期間は「年間」と言われています。聖人の祭日や祝日や記念日などもこの暦の中で定められています。

パウロ 九里 彰 神父